アンデルセンバッグ ブログ

デンマーク発、日本生まれの「アンデルセンバッグ」をご紹介します。

26. 常識は変わるの話。その3

 

 

 

 

 

アンデルセンバッグ
ANDERSENBAG


石山 祐一郎 
Yuichiro Ishiyama

 

 

 

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業界的にとても大きくメジャーなブランドが

ライセンス商品から撤退するという動きの中で、

業界は暗く、

タイタニック号のように深く沈んでいきました…。

 


一方では、

まったく別の新しい動きがありました。

 


現在私たちは

本社を東京・両国へ移転しましたが

その当時は東京・浅草橋に本社を構えていました。

浅草橋があるエリアは

東京の台東区というエリアになります。

 


台東区とは

浅草や上野などがあるエリアになり

家具、建具、建築関係、etcなどなど

各ジャンルの職人たちが昔から

多いエリアでもあります。

 

 

台東区では

毎年、優秀技能者賞という

優秀な職人を表彰する制度があります。

 


2010年、

私たちの職人が台東区の認定を受けて

優秀技能者賞という名誉な賞をいただきました。

これはバッグ業界では初めてという事もあり

業界紙や地元ローカルTVなどの取材も受け、

各方面へ紹介をしていただきました。

 

 

 

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この業界紙の記事をたまたま見てくれた

百貨店のバイヤーが1人おりました。

アンデルセンバッグとして

百貨店での単独イベントをやりませんか?

というお声掛けをいただきました。

 

 

断わる理由も、もはや無くなり

新しいチャレンジとして、

アンデルセンバッグ・ブランドの

単独初イベントとして

この話をお引き受けしました。

 


業界的には

メーカー廃業、職人引退など

歯止めがまったくきかない状況でした…。

いろいろな問題が

リアルタイムで起こっている中での

新しいチャレンジでした。

 


当時では

まだまだ業界的には

直接百貨店とメーカーが仕事をするということは

本当に非常識でタブーな事でした。

 


その証拠に

同業者が次から次へと毎日、

買いもしないのに売場へ来て

状況を見に、様子を聞きに来ていました。

店頭に立っていると本当に迷惑でしたが…。

 


結果は

成功とは言えなかったかもしれませんが

大きな大きな1歩を踏み出せたと思っています。

 


このイベントがきっかけで、

全国の百貨店の方から

少しずつお声掛けを

していただけるようになりました。

 


現在では

北海道から九州まで、

ほぼほぼ主要百貨店で

popupでのイベントを行っています。

そして

全国へと旅を続けています。

 


この業界に長くいる人間としては

百貨店から小さなメーカーへ

バイヤーから直接連絡がくるなんていう事は

10年前では絶対に絶対にありえない事でした。

今でこそ当たり前ですが

当時ではまだありえないことでした。

時代の変化と常識が大きく変わったと実感しました。

 


常識の変化によって

作り手である私たちと

お客様との距離が近づいたこと、

それが

何よりも素晴らしい事だと感じています。

 

 


アンデルセンバッグ
ANDERSENBAG


石山 祐一郎 
Yuichiro Ishiyama